家や土地などの不動産を購入するときには、希望条件だけでなくさまざまな点に気を付けなければなりません。
法的な注意点も多々ありますが、その中の一つに「日影規制」があります。
今回は「日影規制」に注目し、そもそも日影規制とはなにか、また日影規制に関して不動産購入時にどういった注意点があるのかをお伝えしたいと思います。
不動産購入時に知っておきたい「日影規制」とは?
そもそも日影規制とは
日影規制とは「周辺建物の日照を確保することを目的とした建物の高さ制限」のことで、建築基準法で定められている規制のひとつです。
冬至(12月22日頃)の日を基準として、周辺の建物や敷地に一定時間以上の日影が生じないよう、新たに建てる建物の高さを制限しています。
日影規制の対象と規制内容
日影規制はすべての地域や建物を規制しているわけではなく、「日影規制対象区域」に指定されている地域のみに対象として適用されます。
どんな建物が規制を受けるかは、建物が建つ土地の「用途地域」と「建てる建物の高さ」で決められます。
対象となるのは基本的に、商業地域・工業地域・工業専用地域「以外」の用途地域となっています。
一般的に「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」では"軒高が7mを超える建物、または地階を除く階数が3階建ての建物"とされていますが、日影規制によって規制される内容は各自治体で定められている内容に準ずるため、地域によって異なるので確認が必要です。
また、日影規制の対象区域でも建物の高さが10mを超えかつ日影規制の対象区域内に日影を生じさせる場合は、規制の対象となります。
不動産購入時に気を付けたい「日影規制」の注意点とは?
プラン変更しなければならない場合もある
日影規制の対象となると、建築できる建物の高さが制限されるという注意点があります。
一般的な2階建て住宅であれば軒高7mを超えることはありませんが、3階建て以上の住宅や天井の高い住宅の場合は、プラン変更を余儀なくされる場合があるので注意が必要です。
影が落ちた先の用途地域が優先される場合もある
自分の建物がある土地は日影規制を受けない用途地域だとしても、周囲の土地の用途地域によっては制限を受ける可能性があります。
たとえば自分の建物の「影」が落ちる土地の用途地域が「第一種低層住居専用地域」である場合、日影制限が適用されることになるので、購入する自分の土地だけでなく周囲の土地の用途地域などにも気を付ける必要があるのは注意点と言えるでしょう。