住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険の加入を借り入れの条件としていることが一般的です。
保険によっては保障範囲が限られているケースがあり、加入前に制度の概要と、どのような保障がされるか把握しておくと保険選びの際に役立つでしょう。
今回は、団体信用生命保険について保障内容と加入するメリットとデメリットを紹介します。
住宅ローンの団体信用生命保険とは?制度の概要と保障内容
団体信用生命保険とは、債務者が返済期間中に死亡もしくは高度障害になったときなどに、保険金をローン残額に充てて完済する保険のことです。
民間の金融機関の住宅ローンでは、団体信用生命保険の加入を条件としていることがほとんどですが、一部では任意としているケースもあります。
通常の生命保険とは異なり、保険料が住宅ローンの金利の中に含まれているのが特徴です。
保障内容は、以下の4種類に分けられます。
●特約なし
●夫婦連生団信
●3大疾病特約付き
●8大疾病特約付き
特約なしは、債務者が死亡または高度障害になった場合のみに適用されます。
両目の視力を完全に失った、中枢神経系・精神または胸腹部臓器に大きな障害を残し、終身常に介護を要する状態になったなどが高度障害の例として挙げられます。
夫婦連生団信は夫婦の収入を合算して契約するタイプです。
夫婦のどちらかが死亡または所定の高度障害状態になった際に、住宅の持分や返済額にかかわらず、保険料が支払われます。
3大疾病保障付きタイプは、特約なしの条件に加えて、三大疾病(ガン・脳卒中・急性心筋梗塞)になった場合に適用されるものです。
8大疾病特約付きは3大疾病と、さらに五疾患(糖尿病・高血圧症・肝硬変・慢性膵炎・慢性腎不全)になったときまでに範囲が拡大されます。
住宅ローンの団体信用生命保険に加入するメリットとデメリットとは?
メリットは、万が一のことがあっても借金の返済義務のリスクがなくなる、所得税の納税義務がない、の2点です。
債務者が仮に返済ができなくなったとしても、保険会社が代わって残債を支払ってくれるので、経済的負担が大きくなる不安は解消されるでしょう。
一般の生命保険は、満期による一時金を取得した場合、一時所得として扱われ所得税が発生しますが、団体信用生命保険は納税義務がありません。
デメリットは、保障内容が限られており、健康状態によっては加入できないという点です。
保障対象外の病気やケガなどで長期間にわたって働けなくなった場合は、保険金は支払われないため、保障範囲を具体的に把握しておく必要があります。
また、持病や病気の既往歴によっては加入できないケースもあり、健康状態も重要なポイントです。