不動産を売却するときは、売買契約書には売却額が記載されています。
不動産売却額において、土地と建物の価格の内訳を決めることを按分といいます。
不動産売却での土地と建物の価格を決める按分の方法とは?
按分とは、基準に応じて割り振ることをいいます。
不動産における按分といえば、土地と建物それぞれの価格を決めることです。
例えば、不動産売却額が5,000万円の場合、土地価格100万円、建物価格4,900万円などと合理的でない比率で契約書に記載したら、買主は金額に納得しないかもしれません。
按分は、合理的な価格を決めて、売主と買主が納得した上で売買契約を結ばなければならないのです。
土地と建物の按分方法は、法律上の決まりはないですが、一般的には以下の基準で価格を決めます。
固定資産税評価額で按分する
不動産の固定資産税を出すための評価額が、固定資産税評価額です。
路線価を元に算出するので、土地と建物を分けて評価できます。
計算式が決まっているので、売主と買主が納得しやすい方法です。
国税庁でも、不動産売却での按分は固定資産税評価額を使うことを推奨しています。
不動産鑑定士の評価額で按分する
鑑定のプロの不動産鑑定士が算出した評価額でも按分できます。
不動産鑑定を行うには費用が必要ですが、資格を持ったプロが鑑定するので、鑑定額は信頼性が高いです。
不動産鑑定の評価額を使っても、売主も買主も納得できる按分になるでしょう。
不動産売却で土地と建物を按分するときの注意点
不動産の按分では、建物の価格をいくらにするかに注意しなければなりません。
土地は年数が経っても大きく価格変化はしませんが、建物価格は年数と共に変化します。
築年数が経っているのに建物価格が高すぎると、買主とのトラブルになりかねません。
建物価格が適正でないと、適正ではない建物減価償却費と考えられるので、後でトラブルになるケースがあります。
また不動産の土地は非課税取引であり、建物は課税取引です。
そのため売主にとっては土地の価格が高い方が得であり、買主にとっては後日控除が受けられるので建物の価格が高い方が得です。
按分の方法はいくつかありますが、売主と買主の両者が納得のうえ土地と建物を適切な金額にしておくことで不動産売買でのトラブルを避けられます。