不動産を売却する際には、売却で得た利益に対して税金がかかることはご存じでしょうか。
高額となる不動産売却では、税金も高額になってきます。
その税金を少しでも軽減するために知っておきたいのが、3,000万円特別控除制度です。
今回は3,000万円特別控除の概要や、利用する際の注意点などを詳しく解説しますので、不動産売却をお考えの方はぜひ参考にしてみてください!
不動産売却で利用できる3,000万円特別控除とは?
3,000万円特別控除とは
不動産売却で得た譲渡所得に対して、3,000万円までは課税対象から外すという制度です。
もし譲渡所得が3,000万円未満の場合は、所得税や住民税などの譲渡所得税が課税されなくなります。
なお、10年より長く住んだ物件を売却する場合には、「10年超所有軽減税率の特例」が併用できます。
この特例では、課税譲渡所得の6,000万円までの税率が、14.21%に軽減されるので、あわせて覚えておきましょう。
3,000万円特別控除の計算方法
●売却価格-購入価格+諸経費-3,000万円=課税譲渡所得
●課税譲渡所得×税率=譲渡所得税
上記のような計算式によって、譲渡所得税を算出します。
不動産売却で3,000万円特別控除を利用する際の条件や注意点
3,000万円特別控除の要件
●売却予定の物件から引っ越す場合は、引越ししてから3年以内に売却する
●売却するまで、利益を目的とした活用はしないこと
●売却した年から3年以前に、3,000万円特別控除を受けていないこと
●売買する相手が、親子や夫婦などの特別な関係ではないこと
なお、下記の条件に当てはまる場合は、適用されませんのでご注意ください。
●特例を受けることを目的とした入居が認められた場合
●居住用の家屋を新築する期間のみの入居など、一時的な入居の場合
●主に趣味や娯楽のために所有する別荘などの家屋
●投資用の不動産
3,000万円特別控除を利用する際の注意点
居住しているマイホームが共有名義の場合は、所有者それぞれが3,000万円特別控除を受けられます。
たとえば1対1の割合で所有していたマイホームの譲渡所得が6,000万円だったとすると、それぞれ3,000万円特別控除を利用すれば、税金はかからなくなります。
1対1の割合ではなく、2対1など一方が3,000万円を超えてしまう割合の場合は、3,000万円を差し引いても譲渡所得が残る可能性があるので注意が必要です。
また、マイホームを買い替えるケースでは、3,000万円特別控除を利用して売却をすると、新居では住宅ローン控除が利用できなくなります。
3,000万円特別控除と住宅ローン控除は併用できないので、それぞれの控除額を計算して比較する必要があります。